2019年6月15日土曜日

飲食店の倒産・休廃業増加について

先日の帝国データバンクの6月10日の記事に飲食店の倒産、休廃業、解散が過去最多という記事が掲載された。

帝国データバンク:飲食業界動向

今回は、3Cのフレームワークを元に、何故飲食店の倒産、休廃業、解散が昨今増加しているのかという事について分析をしていきたい。

  • 顧客
  • 自社
  • 競合
  • 飲食店の倒産・休廃業増加理由




顧客


顧客に関しては、マクロ的には人口減少によりそもそも顧客自体が減少している。但しこれは、飲食業界に限った事ではないと考えている。

帝国データバンクの調査結果から最も倒産・休廃業が増加した業態が、「酒屋・ビヤホール」であったことから、日本人の酒離れも要因として考えられるが、一番の要因は、口コミだと考えている。初めてのお店に行く際は、口コミの評判を参考にする人は昨今増えているのではないだろうか。
今までは、店構えや雰囲気でお店を選んでいたと思うが、いまやネットに何でも乗っている。おまけに5段階評価までされているのだから、参考にせざるを得ない状況ではないだろうか。
つまり、評価の高いお店はますます人気に、評価の低いお店や、評価が付いていない店は入るのを控えるといった、二極化が情報社会によってもたらされてしまったと考えている。



自社


飲食業界の問題としては、どこも労働者の確保と、労働者のコスト増加が、飲食店の経営を難しくしている。吉野家などは、コストを抑えた薄利多売で利益を上げていたが、昨今人件費のコスト増加により、営業赤字に陥っている。



競合


飲食業界に関しては、誰でもお店を始めることが容易な事から参入障壁は低いと思われる。その為規模の大小含め群雄闊歩が行われている業界だと思われるが、その中の主要な競合はどの業界も同じだが大手チェーン店だろう。
大手チェーン店は、どこにでもあるし、どのお店に行っても味が変わることがなく、そして比較的低価格でサービスを受けることが出来る。
その為、顧客(消費者)にとっては、新しいお店に入るリスクと取るよりは大手チェーン店に行く方がリスクが低いため、参入障壁が低い割にはシビアな業界だと思われる。


飲食店の倒産・休廃業増加理由

飲食店の倒産・休廃業増加理由を調査すべく3Cのフレームワークで分析してみたがこれについてはありきたりな答に帰結しそうだ。

■マクロ的な視点による飲食店の倒産・休廃業増加理由
人口減少、少子高齢化を迎える日本にとってはそもそも顧客の数自体が減少しており且つ高齢者は外に出歩くことも億劫になる傾向可能性もあり、顧客の減少に拍車がかかっていると思われる。

■ミクロ的な視点
情報化社会の発達により、飲食店は5段階評価され且つ、瞬時にその情報が伝達されるようになった。その結果、評価の高い店はますます人気に、評価の低い店は瞬く間に下火になってしまう、明暗がはっきりと分かれる形になってしまった。
この結果飲食店の淘汰のスピードが早くなり、飲食店の倒産・休廃業増加につながっていると考える。

今後の飲食業界については、利益拡大及び利益追求を行うのであれば日本だけで勝負しているのでは尻つぼみになるだろう。尚、大手のチェーン店は既に海外進出しているが、自分の能力を発揮する為に、ある意味自己実現のために、飲食店を経営している個人事業主等に関しては、自己研鑽を続けるとともに顧客のターゲッティング、コンセプトの明確化、SNSを用いた情報拡散、顧客に提供する価値を明確化した上での競合との差別化等のマーケティングも生き残る為には必要な要素になってくるだろう。

次回は具体的な飲食店に着目し、詳細な分析をしていきたいと思う。

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